Nippoku Style | 格技場全体に気迫が満ちあふれていた
「失礼します。」というドアの外からの声に「はい,どうぞ。」と応えたら,今年教育実習にきていたNさんが顔を見せてくれました。
Nさんは本校の卒業生で,現在はN体育大学剣道部の副主将を務めています。剣道部員だけで200人近くもいる大学の副主将なのですから,自分の練習だけでなく,副主将としての仕事もたくさんあるはずです。その合間を縫って,後輩達の稽古のためにわざわざ来てくださったのです。本当にありがたいことです。
私も稽古を見せてもらいましたが,生徒達の気迫に圧倒されました。一人一人の声が大きく,それが格技場全体に響き渡り,剣道部全体の気迫として私に強烈に伝わってきました。
剣道の稽古をみていると,上位者が自分を打たせることで周りの者を育てていくことがよく分かります。Nさんも,後輩達に自分を打たせ,一人一人の弱点を見極めてはそれぞれに適切なアドバイスをしていました。
そのように緊張している練習の最中に私が入っていっても,マネージャーや他の部員がサッと対応してくれるので,「稽古の邪魔をして悪かったかな。」とか「申し訳ないな。」と思うこともあります。でも,そういう心遣いができるのは,日頃からの部の指導がきちんとしているからなのでしょう。
剣道は「剣の道」と書きますが,生徒達をみていると,「剣の道」を目指しながら「人間の道」も身についてきているなと感じさせられました。
卒業した先輩達が,自分の後輩達のことをあれこれ気にかけてくれる心の繋がりの大切さ,ありがたさ。これを生徒達に,是非分かってほしいものです。
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