Nippoku Style | 先生の一言って 大きいですよね
今日、千葉大学の小室先生が本校においでになりました。
小室先生は本校の13回生で、本校卒業後、茨城大学工学部に進学して情報工学を専門に学びました。その後、茨城大学で博士号を取得し、平成17年(2005年)からは東京工科大学の助手・助教として勤務した後、平成21年(2009年)からは千葉大学大学院融合科学研究科の助教として研究に従事しています。
今日は、先月台湾で行われた学会で研究発表し、その後短期間実家に戻られたのを機会に、本校に来られました。
小室先生が高校生の頃、私も教員として勤務しており、小室先生のクラスの生物選択者を教えていました。しかし先生は物理を選択していたので、授業で直接教えることはありませんでしたが、当然お互いに知っている間柄です。
現在小室先生の身分は研究を主体とする大学院の教員ですが、助教として自分の研究を行う傍ら工学部の学生の講義も担当しているそうです。講義をしていて、学生が「あっ、そうか。」「わかった。」といってくれると本当
にうれしいと笑顔で話してくれました。これは私たち高校の教員も同じですね。
先生の専門は情報通信工学ですが、自分の研究分野について、小室先生は本当に楽しそうな表情で話してくれました。土・日もほとんど大学で研究をしているそうですが、「好きだからできるんです。仕事という感じは全くなくて、自分の楽しいことを好きにやらせてもらっているという感じです。」と話す顔から、毎日の充実した生活ぶりが伝わってきました。そして先生は、ここ数年立て続けに、国際的な賞を受賞され、若手研究者のホープとして日本だけでなく、国際的にも高い評価を受けています。
そんな先生が高校生時代を振り返り、こんなことを話してくれました。
高校生時代、1年生の最初の頃から毎日、英語構文の暗記、英文読解、数学のドリルをやっていましたが、英語構文集の暗記や数学のドリルを毎日続けてきたことの成果は、大学でも「継続して努力できる」ということに繋がっています。自分の研究の文献を読んだり、その関連文献を読んだりしながら自分の研究を進めるということは、すぐに結果が現れるものではありません。地道に続けることができたのは、高校生時代の日々の勉強のおかげだと思っています。
また、高校のときに合宿課外に参加し、数日間学校に泊まって勉強した経験も大きかったと思います。4年生や大学院生になると、研究室に泊まって勉強することが度々あります。私も論文締め切りや進捗報告日が近づくと、研究室に泊まって徹夜で原稿を書いていましたが、他の人と違い、苦でも何でもありませんでした。
高校で頑張れたから今があるんだと思います。正直言って、辛かったですけれど。
高校時代のことや大学での研究のことなど、約2時間、二人でいろいろなことを話しましたが、小室先生が話された中でこんな一言が印象的でした。
今の自分は好きなことができて、幸せだと思っています。これからは、外国でも研究したいと思っています。でも、今こうしているのも、自分が就職を考えていたときに大学の先生から「博士号も取ってみたら」と言われたことがきっかけなんです。先生の一言って、大きいですよね。
大学の先生のちょっとした言葉がきっかけで今も頑張っている卒業生の小室先生を目の前にして、「本校の生徒達が秘めている無限の可能性をどう引き出すかが教員の仕事なんだ」と改めて感じさせられました。
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