Nippoku Style | 読書感想文コンクールで本校生が「教育長賞」に輝きました!
 
 平成22年度読書感想文中央コンクール高等学校の部で、本校2年生の田中美優さんの作品「インパラの朝」が「教育長賞」の栄誉に輝きました。
 読書感想文中央コンクール高等学校の部には、各地区の審査を経た222作品が出品されました。その中から、茨城県知事賞、茨城県議会議長賞、茨城県教育委員会教育長賞に選ばれた3作品は、全国コンクールに出品されます。その、教育長賞に、本校の田中さんの作品が選ばれたのです。
 高校生だけでなく、若い人たちの読書離れが問題となって久しいですが、読書をすることで、自分の内面の世界がどんどん拡がっていくと思うし、特に感受性豊かな高校生時代にたくさんの書物と出会うことは、人間として成長していく上で、とても大事だと思います。
 今回、田中さんが読んだのは、今年の課題図書である「インパラの朝」という本です。そして,感想文のタイトルは「Little voice−見つめる先」。
 「インパラの朝」という本は、中村安希さんが書いた、ユーラシア・アフリカ大陸を684日かけて旅行した旅行記です。旅行記と言えば、沢木耕太郎さんの「深夜特急」が有名ですが、「インパラの朝」は、それとは一味違った旅行記です。
 田中さんの感想文が教育長賞に輝いたことは、担当の先生から少し前に報告を受けていました。しかし、受賞の喜びを皆さんにお知らせする前に、自分でもその本を読んでみようと思い、本校の図書館から「インパラの朝」を借りて読んでみました。
 この作品は、2009年度の「第7回開高健ノンフィクション賞」を受賞した作品として知られています。でも、もう少し詳しく説明すると、第7回開高健ノンフィクション賞を受賞した「バックストリートの星たち−ユーラシア・アフリカ大陸、そこに暮らす人々をめぐる旅−」に加筆し、題名を「インパラの朝」と変えて出版された作品なのです。
 全体を読み通して感じたのは、もとの副題にあった「ユーラシア・アフリカ大陸、そこに暮らす人々をめぐる旅」という表現がしっくり来る作品だと言うことです。旅行記につきものの、ある場所から次の場所への移動の苦労話も書かれてはいますが、文章全体に占める割合はごくわずかです。それよりもむしろ、訪れた場所で偶然に出会った人々とのやりとりや心の繋がり、あるいは自分で感じたことなどを軽快なタッチで表現しています。そのため、どんどん読んでいってしまう、そう感じられる作品でした。
 夏休みの課題に、生徒達に読書感想文を課す学校は多くあります。そのため、必要に迫られて本を開く生徒も多いと思います。しかし、それがきっかけとなって読書することのおもしろさ、本のおもしろさに気づいてくれる生徒が、一人でもいいから増えてくれることを願っています。


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