Nippoku Style | 今日は「いばらき教育の日」 今月は「いばらき教育月間」 です
 
 みなさんは、今日が「いばらき教育の日」、今月が「いばらき教育月間」であるということを御存知でしょうか。
 今日、水戸の県民文化センターで「第11回みんなで教育を考える「いばらき教育の日」推進大会」が行われ、参加してきました。会場には、学校の先生方だけでなく、様々な教育団体、子育て団体からもたくさんの方がおいででした。
 午前中は、来賓の方の挨拶や、各種の表彰があり、午後は講演会が行われました。講演会のタイトルは「魂を揺さぶる生涯忘れない90分−感動は人を動かす−」、講師は株式会社アビリティトレーニング代表取締役の木下晴弘さんでした。
 アッという間に90分が終わってしまったという感じで、その後の余韻を楽しみたくなるような、教員としての仕事の本質に迫る素晴らしい講演でした。先生の話の内容は勿論素晴らしかったです。それに加えて、先生が示された事例一つ一つが、聞く者の心にジンと響いてくるようなものばかりで、時々洟をすする音も聞こえてきました。
 「幸せってなんだろう」という話の中で、先生が私たちに「あと数分しか自分の命がないとわかったら、家族に何を言いますか?」と問いかけました。その問いかけのあと、私たちに先生が示された映像は、日航機墜落事故で、機体の残骸の下から見つかった乗客達のメモでした。クシャクシャになった紙に、揺れる機体の中でやっと書いたように「今まで幸せだった。ありがとう。」という文字を見たとき、グッとくるものがありました。
 そんな講演会の時の気持ちを思い出しながらこの文章を打っていたら、校長室の外で
  「こうちょうせんせー。ねえ、校長先生気づいてないよ。」
  「仕事してるよ。こうちょうせんせー。」
という女性の声が聞こえてきました。もう窓の外は真っ暗なので、誰かわからないままその声の方向に手を振りながら窓を開けようとしたら、
  「あっ、てーふってる」
という声も聞こえてきました。窓を開けると、3年生の女子生徒二人がそこにいました。
  「校長先生、さようなら。」
  「暗いから気をつけて帰るんだよ。」
  「はーい。」
そう言いながら二人はかけていきました。暗闇の中に消えていく二人の後ろ姿を見送りながら、「いい生徒達だなぁ」と思いました。
 「あと数分しか命がない」という極限状態とは違いますが、教員としての幸せって、このような、生徒とのちょっとした気持ちの繋がりの中にあると思っています。
 女子生徒二人のいい表情で今日一日を終えられる私は、今とても幸せだと感じています。


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