Nippoku Style | プロの演奏家と高校生という違いはあっても 聴く者を虜にする力は同じ
 
 今日の午前中、人に会う用事を済ませ、12時頃に自宅を出て、取手松陽高校、常陸太田市民交流センター(パルティホール)と、二つの音楽会を続けて聴いてきました。
 取手松陽高校では、音楽科の講師の皆さんによる「松陽エヴァーグリーンコンサート」の演奏を、常陸太田市のパルティホールでは「茨城県アンサンブルコンテスト県北地区大会」に出場している生徒達の演奏を楽しみました。
 取手松陽高校の「松陽エヴァーグリーンコンサート」は、取手松陽高校の音楽科の非常勤講師をされている先生方が、学校の教室というプロの音楽家にとって決して良いとは言えない環境の中でもいいから、しかも文字通りの手弁当で、取手松陽高校の音楽科をみんなにわかってもらおうという気持ちで、昨年度から始めたコンサートです。
 第一回の昨年度は、地域の方に知られていなかったので、校舎内の教室で50名程度の聴衆を集めてコンサートは開かれました。しかし、第二回の今年は、是非聴きたいという希望者が多く、当初予定していた会場を急遽変更し、体育館でコンサートは行われました。
 演奏者も、昨年度の6名から今年は9名に増え、私を含め聴衆はみんな、室内楽を中心とした音楽を楽しみました。
 このコンサートをとおして私が凄いと思うのは、「取手松陽高校の音楽科をみんなに知ってもらおう」「室内楽の楽しさをわかってもらおう」という演奏者の皆さんの心意気です。音楽科の非常勤講師ですから、当然、プロの演奏家です。日頃、演奏活動で忙しい毎日を送っている方々が、スケジュールをやりくりして、無報酬で集まってくれるのですから、頭が下がります。
 しかも、体育館という環境の中での演奏です。普段は、音響効果がきちんとしたホールなどで演奏している皆さんが、音響設備が何もない体育館で、よくも演奏してくれるものだと感心しました。「こんな所じゃあ・・」と言いたくなっても仕方ないと思うのです。そのことを校長先生に聞いたら、こんな事をおっしゃいました。「私たちも最初は気にしたのですが、演奏家の皆さんに場所のことを話したら、『そんなことは問題じゃありません、場所はどこでもかまいません。音楽科のことをみんなに知らせたいんですから。場所に拘らないで演奏するのがプロの仕事ですから。』って言ってくださったんです。うれしかったですねぇ。」
 その後、常陸太田市のパルティホールで行われている「アンサンブルコンテスト県北地区大会」に向かいました。吹奏楽の大会を聴いたことは何回もありますが、アンサンブルコンテストは初めてです。同じ日に、中学校、高等学校のコンテストをやっているので、高校の部は午後4時40分からでした。最後のチームが演奏を終えるのは、午後8時頃の予定です。
 高校の部の最初が、日立北高の打楽器四重奏でした。金管楽器や木管楽器の演奏と違い、打楽器四重奏のイメージが最初はどんなものかわかりませんでした。一昨日、体育館で練習している姿を見たのが初めてです。(→ 体育館での練習の様子)
 本校からは、打楽器四重奏の他、金管八重奏のグループが出場しました。どちらのグループの生徒達も立派に演奏しており、演奏が終わった時には大きな拍手を送りました。他校の生徒達の演奏も素晴らしく、一度でアンサンブルコンテストの虜になってしまいました。
 アンサンブルコンテストは、大人数の編成と違い、一つのパートを一人で演奏しているので、一人一人の責任が大きいのです。その分、生徒達の真剣さが、聴く者にビシビシと伝わってくるように感じました。生徒達の真剣さ、その虜になったのです。
 「松陽エヴァーグリーンコンサート」と「アンサンブルコンテスト」。プロの演奏家と高校生という違いはありますが、演奏者の気持ちが聴き手に伝わり、聴く者を虜にする力は同じです。
 生徒達がステージで演奏している音やリズムが、今でも身体に残っています。今日一日、いい経験をさせてもらいました。


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