Nippoku Style | 生徒達はこんな事を感じてくれました
本校では何か行事があるたびに、生徒達に感想などを書いて提出してもらっています。先週の、大江健三郎先生による「創立30周年記念講演−17歳で想像したこと、そして今−」についても、生徒達に感想を書いてもらいました。
今手元にある感想の中から、先生に失礼な表現もあるかもしれませんが、生徒達の素直な感想をいくつか御紹介します。
・・・・話に聴き入ってしまい、あっという間の時間でした。・・・先生もおっしゃっていたように、何事も“注意深く”。これから、まだまだ長い人生なので、注意深く、一つ一つを丁寧にこなしていきたいです。
大江先生が今までお会いした人たちの中に、中国の有名な政治家の「毛沢東」がいるということはとても驚きました。出身は愛媛県の田舎で、頑張って東大のフランス語学科を卒業したということは、受験勉強している私にとって、とても自信になりました。
・・・・私は全くといっていいほど読書をしませんでしたが、大江先生のお話を聞いて、自分の読みたい一冊の本を探してみたいなぁと思いました。読み終わるまでに時間がかかっても、自分に何かしらのプラスを得られるようにしたいと思いました。
30周年の記念として行われた講演会をとおして、普段の生活では体験することができない機会を得ることができました。自分の価値観を広げることもでき、さらに、新しい発見ができるためのものの見方も知ることができたと思います。ノーベル文学賞を受賞した方の講演なので難しそうなイメージがありましたが、これからの将来を考えたり、生きていくためのとても大切な機会であり、理解しやすかったです。この講演で聴いたことを忘れずに、普段の生活に活かしていきたいと思います。
・・・・大江先生が17歳の頃は、今の英語教育のように十分な教育を受けていないのに、英語に興味を持ち、自ら学ぶ意志を強くして英語の本を何度も読んで暗記したというエピソードを聞いて、学問に取り組む真剣な姿勢にとても感動しました。・・・・生徒の質問に答えている時、一人一人の質問にしっかり答えようとしていらっしゃって、この様な方だから賞をもらえるような作品が書けるんだなぁと思いました。
・・・・大江健三郎先生が17歳当時に、同じ本を何度も何度も読み返して、記憶してしまうほど読んで、さらにそれを英語版の原作とあわせて読んだという話は、自分の17歳当時とはかけ離れていて、周囲にもそうやって英語を学んだという人は見たことも聞いたこともなかったので、やっぱり学習する事への意欲が段違いだと実感させられ、大きな刺激を受けました。大江健三郎先生と自分たちとの年齢は大きく離れていますが、そのパワフルな情熱は学ぶ必要があると思いました。・・・・
・・・・大江健三郎さんが来ると聞いた時には、正直あまり嬉しくなかった(笑)。でも、今回、実際に講演を聴いて、おちゃめでおもしろい人だった(笑)。・・・・一番前の席だったから、何回も目があった。気がした(笑)。本当にあっていたら、ちょっと嬉しい。ちょっと意味がわからなくても、保護者の人たちの笑い声が後ろから聞こえてきたから、合わせて笑った。自分は大江健三郎さんの話を聞いていて楽しかったから、大江健三郎さんも、私たちに話していて楽しいと思ってくれたらいいなと思った。戦争中に森の中で育ったという話は心に残っている。・・・・今回の講演会、来られなかった人は、本当にもったいないことをしたと思う。すごく楽しかった。大江さんの本を読みたくなった。楽しい時間をありがとう、大江健三郎さん!!
・・・・大江健三郎先生が最後に言ったこと、「注意深く」ということ。注意深くと言われても、よくわからなかった僕は、自分なりに先生の「注意深く」を理解しようとした。「注意深く」というのは「考える」ということではないのかと思った。どうしてそうなるのか、その理由を理解すること、ただ生きていくのではなく、考えながら生きていくことが大事だと言うことを、大江健三郎さんは伝えたかったのではないかと自分で解釈した。
・・・・“注意深く”という言葉は、言われれば“確かに”と思うけど、言われるまではあまり考えることはなかった言葉だと思いました。私は、この言葉は、物事をしっかり考え、小さな事でも一つ一つ目を向け、適当に流さないことだと思いました。・・・・
自分は今まで、何かにこだわって取り組んだということはほとんどありませんでした。一つ一つのことに対して思い入れが浅く、そういう人生を過ごしてきたと思います。例えば、志望校も3年生になるまでずっと決まらず、悩んでいたというよりは、はっきり決める気もなく、何となくな気持ちで志望校をころころ変えてきて、やっと今に落ち着いた感じです。
大江先生の話を聞いて、成功している人には、しっかりした考えや、曲げられない何かがあるんだと思いました。そういうものを持っている人は、例え失敗したとしても、あきらめずに頑張ることができるのだなと思い、自分のように考えがころころ変わってしまう人は、上手くいかないと直ぐに違う方向に行ってしまうし、続けることで得られる何かも、得ることができないかもしれません。
今の時代、人にはそれぞれ多くの人生の選択肢があると思います。やりたいことを制限されないし、自分に適した道を見つける機会も多くあると思います。しかし、そのような時代だからこそ、何か一つにこだわって進むという、周りに流されない力が大切なのではないかと思います。あれもこれもと手を出す前に、大江先生の話にもあったように「注意深く考えること」を頭に置いて、選択肢から道を選ぶ際には注意深く考え、何か一つ見つけたなら更に注意深く考えて取り組んでいく、ということを実行していこうと思います。・・・・
生徒一人一人が書いてくれた感想をすべて読み終えたわけではありませんが、大江先生に記念講演をお願いして、本当に良かったと思います。
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