Nippoku Style | 「小雪」は「陽射しが弱まり、冷え込みが厳しくなる季節」
暦の上では二十四節気の「小雪(しょうせつ)」も過ぎ、今月も残り一週間になりました。校庭の赤く色づいた木々も葉を落とし始め、いよいよ本格的な冬に突入です。
二十四節気は、太陰暦を使用していた時代に、季節を現すための工夫として考え出されたもので、1年を24等分し、その区切りに名前をつけたものです。現在でも、季節の節目節目を示す言葉として使われています。
二十四節気の一つである「小雪」は、太陽暦では11月22日頃にあたり、「陽射しは弱まり、冷え込みが厳しくなる季節。木々の葉は落ち、平地にも初雪が舞い始める頃」とされています。今の時期の説明にピッタリですね。
日本の四季の変化を表す数々の表現を思いおこす時、「先人達の季節感は本当に素晴らしい」と改めて感心させられます。
ひとくくりに「冬の寒さ」と表現するよりも、その寒さの程度を「立冬」「小雪」「大雪」「冬至」「小寒」「大寒」という言葉を使って表現することで、より細やかな感覚を相手に伝えることができると思います。
この、日本人独特の季節感に基づいた二十四節気ですが、高校の国語の授業では、学んでいる作品を正しく解釈する時に話題として取り上げることが多くあります。二十四節気を知っている人と知らない人では、その作品の理解が違ってしまうこともあるわけです。
先日、大江健三郎先生も講演で話されていました。「注意深く読みなさい」と。そのためには、二十四節気が必要になることもあるのです。
そう考える時、どの教科・科目もそうですが、高校の授業を「何の役に立つのか」という発想で見るのではなく、一見役に立たないようには見えるかもしれませんが、「学ぶことで自分の視野が広がる」という発想でとらえていってほしいと思っています。
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