Nippoku Style | 3年生を毎日見つめる言葉
本校の2階から3階に向かう階段の壁に、上のような言葉がずっと貼られています。
この言葉は、本校に平成20年4月に入学しましたが、平成21年6月12日にサッカーの練習中に倒れ、その4日後の6月16日に短い一生を終えた川井将平君が好きだった言葉です。
川井君が好きだったこの言葉は、毎日、登校してくる3年生を出迎え、下校する3年生を見送ってくれています。
今年の4月に校長となった私は、川井君と直接会った事はありません。でも、その友達に好かれていた川井君の人柄は、この言葉から感じ取ることができます。川井君が亡くなってから、ずっと張られているこの言葉。ソフトテニス部では「部訓」にもしているこの言葉。川井君がみんなから「将平、将平」と好かれていたから、ずっと貼り続けられているのです。
一度も会ったことのない川井君は、私に日立北高生の素晴らしさを、教えてくれました。
校長になって2か月半経った頃、川井君の一周忌に合わせて、自宅にお線香をあげに行ったことがありました。そのとき通された部屋には、川井君の写真とともに、クラスマッチで生徒達が着ているクラスごとにつくった揃いのTシャツが「3枚」掛けられていました。
何気なく掛けられていた3枚のTシャツ。それを見て、目頭が熱くなりました。生徒達は今でも、川井君のことを自分たちの仲間だと思っている証しが、3枚のTシャツだと感じたのです。
1枚目は、1年生の時に自分が着たTシャツ。2枚目は、亡くなった時のクラスのみんながつくってくれたTシャツ。そして3枚目は、クラスの名簿に名前はないけれど、生徒達の心の中にいる川井君のためにみんながつくってくれたTシャツ。
そのとき、川井君のご両親がこんな事を話してくださいました。それは、サッカー部の生徒を中心に、本校の生徒達が、川井君の月命日にお墓参りをしてくれている、というのです。川井君が亡くなってから1年間、毎月欠かさず、しかも授業のある日は暗くなってからお墓参りをしているというのです。その話を聞いて、その生徒達に感激しました。
先週、川井君のお母さんとお会いする用事がありました。そのとき、お母さんから、一年半経った今でも月命日の墓参りが続いていることを教えていただきました。生徒達に頭が下がります。
3年生の生徒一人一人の心の中に、今でも自分たちの仲間として川井君はいるのです。そんな心の繋がりの暖かさを、そして日立北高生の素晴らしさを、一度も会ったことのない川井君から教わりました。
copyright (c) Hitachikita , All Rights Reserved
Supported by 日立北高等学校同窓会「北窓会」