Nippoku Style | 冬はつとめて
今朝はとて冷え込み、この冬一番の寒さでした。
その寒さの中、白い息を吐きながら元気に登校してくる生徒達の姿は、背中から朝日を受けて光り輝いて見えます。その生徒達の姿を見ている時、ふと「冬はつとめて」という言葉が頭に浮かびました。
四季のはっきりした日本で、春夏秋冬のそれぞれにおいて、一番趣のある時間帯について書かれた文章が「枕草子」にあります。「枕草子」は高校生の時に多くの方が学んだと思いますが、11世紀初めに、清少納言によって書かれた随筆です。その最初の文章が、あの有名な「春はあけぼの」です。
春はあけぼの。・・・・・
夏は夜。・・・・・
秋は夕暮。・・・・・
冬はつとめて。・・・・・
季節ごとに、清少納言にとって一番趣があると感じる時間帯を表した文章ですが、その中に「冬」は「つとめて」の時間帯が一番いいと書かれています。「つとめて」とは「早朝」のことです。
生徒達が登校してくる時間帯は、もう早朝とは言えない時間帯かもしれませんが、ピンと張り詰めた寒気の中、太陽に照らされて光り輝く生徒の姿を見ていると、「冬はつとめて」がいいと感じた清少納言の気持ちがよくわかります。
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