Nippoku Style | 高校時代にどんな先生と出会うかって もの凄く大きいと思いますよ
 
 今日、二組の卒業生が校長室を訪ねてくれました。
 どちらも、年末年始の休暇を利用して帰省してきたので、学校を訪ねてくれたのです。そのうちの一人は30歳半ばで、企業の第一線で活躍している男性です。彼は大学卒業後、学生に人気のある地方銀行に就職しました。しかし思うところがあり、数年後に退職。その後、外資系の企業に再就職し、現在に至ってます。
 彼は再就職後、その実績が認められ、短期間のうちに新入社員をリクルートしたり、支店をマネジメントする立場になりました。その彼がこんなことを話してくれました。
「大学生の就職が氷河期だと言われていますが、採用する方から見ると、高校時代に、日立北高みたいに勉強を一生懸命やったり、運動部の苦しい練習に耐えた人は、大学を出る時もそんなに就職は難しくはないんですよ。高校時代に何かをがむしゃらにやったかどうかって、あとで大きく影響してきますよ。高校生の時に、勉強や部活動をがむしゃらにやった人じゃないと、何をやっても欲が出てこないんです。」
「あのときのクラスのみんなと時々話をするんですけれど、日立北で思いっきり勉強した経験があるから、今社会に出てもこうやってやっていられるんだって。高校時代の勉強って『何のために』じゃなくて、今になって思うと『勉強することが目的』なんだと思いますよ。」
「先生はソフトテニス部の指導も結構厳しかったですよね。当時は、良くやってるなって、半分あきれてみていました。でも、今、新人を採用する立場になって、勉強と部活動という違いはあっても、人を育てていることは同じなんだと気づきました。勉強に対する姿勢も、部活動に対する姿勢も、どちらもその人の生き方そのものですからね。だから、高校時代に、どんな先生と出会うかって、その人の人生にとってもの凄く大きいと思いますよ。」
 彼と別れる時、いつも「握手を」しながら別れの挨拶をします。別れ際の「握手」は、外資系の会社に再就職した彼が身につけた習慣ですが、初めて彼から握手をされた時「握手っていいもんだ」と感じ、それ以来、私も機会がある時には握手をするようにしています。相手の手の感触を自分の手で感じながら互いに言葉を交わすと、不思議と心が通じ合うような気になります。
 その彼が残していった「高校時代に、どんな先生と出会うかって、その人の人生にとってもの凄く大きいと思いますよ。」という言葉。その言葉の重みを考えながら窓の外を見ると、課外が終わってJOYホールへ向かう数人の生徒の姿が目に入りました。


copyright (c) Hitachikita , All Rights Reserved

Supported by 日立北高等学校同窓会「北窓会