Nippoku Style | 人と人を繋ぐ不思議な「力」
 
 今朝は昨日より幾分暖かく感じられますが、それでも冷え込みは厳しいものがあります。
 校長室の窓際に、一鉢のシクラメンがあります。昨日、ある卒業生が持ってきてくれました。そのシクラメンに朝日をあてようとカーテンをしばらく開けていましたが、赤い花びらや濃い緑の葉がキラキラと光り輝き、植物の瑞々しい生命力を感じます。
 シクラメンを持ってきてくれた卒業生は、私が直接教えた生徒ではありません。昨年の夏休み前、短い期間でしたが本校で保健体育の教育実習を行った時に、初めて彼に会いました。それ以来、学校を訪れる時には校長室に顔を出してくれるようになりました。
 シクラメンを持ってわざわざ校長室を訪ねてくれるようになった彼と私の間柄をみても、「学校」というものは実に不思議な力を持っている存在だと思います。
 仕事で人と会うとき、名刺の交換はしますがそれ以上の間柄にはなりません。しかし、初対面の方でも「日立北高」を卒業したというだけで、直接の教え子でなくても親近感を持つようになり、短時間のうちに互いに心を開いて話ができる関係になっていきます。相手にも同じことが言えます。私が「日立北高の教員」であることがわかると、「え!じゃあ、○○先生知ってますか?」と、話しぶりや表情がガラッと変わります。
 このように、「学校」には人と人を繋ぐ不思議な「力」があります。特に「日立北高」は、日頃から生徒と教員の距離が近いので、その「力」がより大きいと感じます。
 そんなことを考えながら窓際のシクラメンを見ていると、昇降口に入っていく二人の生徒の姿が目に入りました。その二人にも、やがてこんな時期が来るのでしょうね。「え!日立北の先生だったんですか?じゃあ、○○先生知ってますか?」


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