Nippoku Style | 「思いやり」を意識して行動するようになりました
 
 本校では、生徒集会を行った3月28日(月)の翌日から、まだ制限を設けてはいますが、自主学習や部活動のために登校する生徒の姿が見られるようになり、グラウンドや体育館にも生徒達の元気な声が響くようになりました。
 まだ避難所や親戚の家で生活している方もいるし、JRも運転再開していないので、集まれる生徒もそう多くはなく、チームとしての練習はできません。しかし、登校できる生徒達はJOYホールで勉強したり、グラウンドや体育館で汗を流したりと、いつもの日立北高の姿に戻りつつあります。
 昼前に特別教室棟を歩いていると、音楽室の方から楽器の音色がきこえてきたのでのぞいてみると、一人の生徒がトロンボーンの練習をしていました。メトロノームでリズムをとり、クロマチックチューナーで音程を確認しながら、音を出す練習を何回も繰り返していました。しばらく練習を見せてもらいましたが、単調な音階を何回も繰り返して、しかも一回一回を丁寧に吹く練習は、きちんとした生き方に通じるものがあると感じました。一人でトロンボーンを繰り返し吹いている生徒の後ろ姿からも、真面目に生きている自信を感じました。
 午後、市内にあるI中学校の校長先生と話す機会がありました。I中学校も避難所として地元の皆さんがしばらく生活していたそうですが、その時に、日立北高の女子生徒が、とてもよく手伝ってくれたということを話してくださいました。
 その女子生徒は、自宅から避難所に毎日通って手伝ったくれただけでなく、水が使えない近所のお年寄りの家まで、避難所から重い水を毎日運んでくれたというのです。その生徒の名前はわかりませんが、今回の地震で、他にもボランティア活動に携わった生徒がたくさんいたことを知り、嬉しく思っています。
 「今回の地震で何か感じたことある?」と生徒に聞いた時、こんなことを話してくれました。「普段は何も考えないで行動していたけれど、自分の心の中で「思いやり」を意識して行動するようになりました。」
 3月11日(金)以来、生徒達が学校に顔を見せない日が続きましたが、その間にも生徒達は、ボランティアなどを通じて人間として成長してくれていることを信じています。


copyright (c) Hitachikita , All Rights Reserved

Supported by 日立北高等学校同窓会「北窓会