Nippoku Style | とてもあたたかい卒業式でした
 
 昨日の大雪がうそのように好天に恵まれ、とてもあたたかい卒業式を行うことができました。
 朝方、午前7時32分に東海村で震度5弱の揺れを観測する地震がありました。この地震の影響で、常磐道が日立南太田IC と 北茨城IC間の上下線で通行止めとなり、本校の教員だけでなく、卒業生や保護者が集合時間に遅れるハプニングはありましたが、予定通り実施できました。
 手前味噌になりますが、厳粛な中にもあたたかみのある、とても落ち着いた式になりました。卒業生だけでなく、在校生も見栄えのする姿勢・態度で参加してくれました。
 担任の呼名により「はい」と返事をして起立しますが、その「はい」の短い言葉に3年間の「思い」が凝縮しているように感じました。「はい」と返事するときの姿勢、顔の表情、体の動きなどに、成長の跡が滲み出てきました。私と同様に「ほんとうに凛々しく、たくましくなったな」と感じた保護者も多かったことでしょう。
 校長式辞の一部を以下に掲載します。
 ただ今、卒業証書を授与された238名の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんのこれから進んでいく新しい道が、希望にあふれるものとなるよう、心からお祈りいたします。
 
 皆さんは、本校での高校生活を終え、本日を最後に、通い慣れた懐かしい学舎をあとにします。皆さんの脳裏には、たくさんの思い出が甦っていることと思います。
 
 朝ドリルや授業・課外・学習合宿に取り組んだこと、部活動で高い目標を目指し、体力の限界まで挑戦したこと、文化祭やクラスマッチ、スキー共宿で友情を深めたことなどさまざまなことが思い出されていることと察しています。
 
 皆さんは、それぞれの夢の実現を目指して、「継続は力なり」、「文武不岐」をモットーとして、努力を重ねてきました。そのことが本校の新たな伝統に、大きく貢献しています。  そして、本校は多くの中学生が入学を希望する魅力あふれる学校となりました。実力の伴った進学校としての評価を受け、高大連携を進めている筑波大学や茨城大学から、大きな期待をされるまでになりました。また、応援して下さる地域の皆様の期待に、教職員一同、大きな責任と使命を感じ、心を新たにしているところであります。
 
 さて、卒業という惜別の場において、大好きな卒業生の皆さんに、はなむけの言葉を二つ贈ります。
 
 一つ目は「失敗を恐れずに、挑戦し続けてほしい」ということです。長い人生の中で、もっとも大事なことは、夢中になれることを見出し、それに対して、どれだけ真剣に打ち込めるか、ということではないかと思っております。どんな地味な生き方であってもいいと思います。人は皆、仕事や研究などに、誠実に立ち向かった時、本物を手にすることができ、他を圧倒するほどの強い力を持つことができます。また、目標に向かって真摯に挑戦する者からは、美しい輝きが放たれるものです。
 
 母校の後輩に講演して下さった岸本海織さんの話は、皆さんを圧倒する、迫力あふれるものでした。彼は獣医という憧れの仕事に就くために、あきらめないで挑戦し続けました。ご本人も「死ぬほど勉強した」と堂々とお話になっていました。皆さんも「夢」に向かって堂々と「挑戦し続けて」下さい。これからの皆さんの人生を充実させ、豊かにしていくことは間違いありません。
 
 二つ目は、「周りから信頼される人になってほしい」ということです。「信頼」は、その人の才能と知恵、そして正直さ、誠実さが積もり積もって、得られるものです。先程、「目標に向かって堂々と挑戦し続けてほしい」と申し上げましたが、年齢を重ねて、目標が高く、大きくなってくると、周りにいる多くの人の協力も必要となってきます。そのとき、まわりから信頼されているかどうかが、目標達成の鍵になります。
 
 人との関わりの基本は「心と心のつながり」であり、お互いに「感謝の気持ち」が必要です。感謝する気持ちを持ち続けていれば、周りの人に対する気遣いや配慮ができ、「思いやり」の気持ちも生まれてきます。他人から信頼されるということは、その人の生き方が評価されたことであり、何にも代えがたい宝です。周りから信頼されることで、大きな目標を掴むことができます。
 
 今後の社会が、どのように変化しても、必要とされる人物の資質は、常に変わらないと思います。それは、校庭に咲いた「うめの花」のように、上品で忍耐強く、多くの人から信頼される人です。人間の能力は、生まれたときから出来上がっているものではなく、一人一人の中に埋まっているものです。日立北高での3年間に蓄えたことに、自信と誇りを持って、自分の能力を掘り起こし、開花させてほしいと切に願っております。



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